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エッセイブログ / やまだみのる

玻璃内は冬日天国海展け

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玻璃内は冬日天国海展け  みのる

小路紫峡師に特訓を受けていた初学時代、週末になると須磨浦公園に出かけては句を詠んだ。あちこち吟行地をかえて移動するのは時間がもったいない気がしたので車で15分ほどで行けるここを道場だと決めて通い続けた。今から三十数年前のことである。

冬の時期はじっと立っていると体が冷えて心も鈍くなり頭も回転しなくなる。そんなときは須磨観光ハウスにエスケープして温かいコーヒーをいただきながら推敲する。レストランの大きな玻璃窓からは須磨の海が覧けていて、たいていは穏やかな表情で縮緬波をたたんでいる。

ある日、偶然に紫峡先生の姿をお見かけした。身じろぐこともなくレストランの庭で蠟梅をじっと眺めておられるご様子で近寄りがたい感じだった。近くに智壽子夫人もいらっしゃる気配だったので、邪魔してはいけないと思って声をかけずに帰ってきた。

いまもときどき公園を訪ねて海を眺めながら、在りし日の紫峡先生を偲びつつ懐かしい思いでに浸っている。

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