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浜焚火命ひろひし話など
浜焚火命ひろひし話など みのる
神戸に住み古りて三十年を超えた。職場の先輩に自称釣名人がおられ、せっかく海の近くに引っ越したのだからと誘われて須磨や垂水の波止釣りにもよくでかけた。当時はまだ浜辺で魚網や若布を干しておられる海人の姿も見られてお喋りにも付き合ってもらえ句を拾うことができた。
近代化が進むのはよいことかもしれないけれど、そうしたよき風情をことごとく犠牲にしてきている。ヨーロッパの建物や文化のように、古きよきものを大切に守りつつ…という精神は残念ながら日本には乏しいと思う。俳句もまた然り、死語と化していく季語があとをたたないのは悲しいことだと思う。
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