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猫の目のごとくに冬日ひろがりぬ
猫の目のごとくに冬日ひろがりぬ みのる
昭和25年、私が小学1年生のころ「たま」と名づけた茶トラ猫を飼っていた。
野良の子猫が屋根から降りられなくなって鳴いているのを見つけたので、近所のおじさんに頼んで梯子で助けてもらったのだ。
これが「たま」との出会いであった。
両親に姉二人兄一人と末っ子の私の6人家族、戦後の貧しい生活の中で兵隊経験のある厳格な父がなぜ仔猫を飼うことを許してくれたのかはよく覚えていない。
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玻璃内は冬日天国海展け
玻璃内は冬日天国海展け みのる
小路紫峡師に特訓を受けていた初学時代、週末になると必ず須磨浦公園に出かけては句を拾った。
あちこち移動するのは時間がもったいない気がしたので車で15分ほどで行けるここを道場だと決めて通い続けた。
瀬戸内とはいえ冬は海風が強く、じっと立っていると体が冷えて心も鈍くなり頭も回転しなくなる。
そんなときは須磨観光ハウスにエスケープして温かいコーヒーをいただきながら推敲するのである。
レストランの大きな玻璃窓からは須磨の海が覧けていて、たいていは穏やかな表情で縮緬波をたたんでいる。
毎週のように通うのでハウスの女将とも仲良くなり、コーヒーが空になった頃に心遣いの柚子湯がそっと運ばれてきて「いい句が詠めましたか?」と句帳をのぞいては励ましてくれるのが嬉しかった。
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