四時随順

エッセイブログ / やまだみのる

  • 玻璃内は冬日天国海展け

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    玻璃内は冬日天国海展け  みのる

    小路紫峡師に特訓を受けていた初学時代、週末になると必ず須磨浦公園に出かけては句を拾った。

    あちこち移動するのは時間がもったいない気がしたので車で15分ほどで行けるここを道場だと決めて通い続けた。

    瀬戸内とはいえ冬は海風が強く、じっと立っていると体が冷えて心も鈍くなり頭も回転しなくなる。

    そんなときは須磨観光ハウスにエスケープして温かいコーヒーをいただきながら推敲するのである。

    レストランの大きな玻璃窓からは須磨の海が覧けていて、たいていは穏やかな表情で縮緬波をたたんでいる。

    毎週のように通うのでハウスの女将とも仲良くなり、コーヒーが空になった頃に心遣いの柚子湯がそっと運ばれてきて「いい句が詠めましたか?」と句帳をのぞいては励ましてくれるのが嬉しかった。

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