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エッセイブログ / やまだみのる

利酒に御代りはなし蔵めぐり

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利酒に御代りはなし蔵めぐり  みのる

二月の吟行句会に備えて灘五郷の酒蔵を下見した。

阪神の魚崎駅を降りてお目当ての菊正宗酒造記念館まで「清流の道」と名づけられた住吉川沿いの堤を歩く。とても温かい日だったので水量は少なかったけれど亀甲模様に敷かれた川底の石畳を走る小気味良い水音はさながら春の歌を奏でているようだつた。

開館時間まで少し間があったので酒造記念館の前で待っていると大型バスから降りてきた韓国人と思われる団体が賑やかに到着、なんだか圧倒されてしまって思わずあとづさりしてしまった。館内の受付のお嬢さんの話では最近は日本人の見学者はほとんどなく韓国からの観光客がほとんどだという。

白鶴酒造資料館では、売店の売り子嬢がみな韓国人のようで、お土産を買おうとレジに行ったけれど、日本語で通じるのかしら…と躊躇してしまう。一人だけおられた日本人のお姉さんが、雰囲気を察知してぼくのところへ近づいてきて笑顔で対応してくれた。来月俳句で二十人ほど来るから…というと、

いつもこんな感じなので出来たら予約しておいてくださるほうがいいですよ

とのこと、何となく納得しがたい複雑な気分だったけれど、おみやげの奈良漬(きざみが美味しい)を買って門を出た。お酒のつまに人気があると言われたけれど、下戸のぼくは苦笑いするしかない。

でも、家へ帰って炊きたての白いご飯と一緒に食べた奈良漬(きざみ)の美味しさに大満足。

ようやく心落ち着いた。

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