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エッセイブログ / やまだみのる

紅葉燃ゆ平和を祈る碑に

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紅葉燃ゆ平和を祈る碑に  みのる

池田市久安寺にあるこの碑には次のように彫られている。

『閃光の記憶に鶴を折りつづけ』

俳句として詠まれたものかどうかは定かではありませんが素直な17文字で綴られたこの詩、あなたならどのように鑑賞されますか。

鶴が季語なら冬季の句ということになります。けれどもそもそも折鶴に季節感はありません。閃光の記憶という措辞から連想すれば、原爆犠牲者の冥福を祈る鎮魂の詩ではないかと想像できます。

あのような忌まわしい殺りくが二度と繰り返されないようにと、来る年も来る年も忘れずに千羽鶴を折って祈りを捧げる。そんな作者のあつい思いが感じられないでしょうか。もしそうだとしたら、平和への祈りが込められた原爆忌の句として鑑賞できると私は思います。

俳人は得てして季語の有無について詮索し配慮のない議論をしがちですが、季語が入っていても季感が伝わらなければ俳句とはいえません。たとい季語が入っていなくともこの一碑のような立派な作品があるということを訴えたいのです。

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