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玻璃内は冬日天国海展け
玻璃内は冬日天国海展け みのる
小路紫峡師に特訓を受けていた初学時代、週末になると須磨浦公園に出かけては句を詠んだ。あちこち吟行地をかえて移動するのは時間がもったいない気がしたので車で15分ほどで行けるここを道場だと決めて通い続けた。今から三十数年前のことである。
冬の時期はじっと立っていると体が冷えて心も鈍くなり頭も回転しなくなる。そんなときは須磨観光ハウスにエスケープして温かいコーヒーをいただきながら推敲する。レストランの大きな玻璃窓からは須磨の海が覧けていて、たいていは穏やかな表情で縮緬波をたたんでいる。
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生涯の一転機とし日記果つ
生涯の一転機とし日記果つ みのる
月並みな話題になるが人の生涯においてターニングポイントになるシーンは何度かある。今がまさにその時と感じるときもあるけれども、たいていは来し方を振り返って “あのときがそうだったかもしれない…” と思うことのほうが多い。
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無為といふ至福の時間日向ぼこ
無為といふ至福の時間日向ぼこ みのる
星野富弘さんの詩には不思議な癒やしの力があると思う。私たちは若くして身体的に大きな障害を背負われた星野さんの境遇を知っている。そういう先入観で詩を鑑賞するからだらだろうか。いや、そうではないと思う。
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枯蟷螂睨むまなこはエメラルド
枯蟷螂睨むまなこはエメラルド みのる
ゴキブリだけはどうしても好きになれないけれど、昆虫類は大好き。
小学生の頃、蚕を飼って毎日桑の葉を与えて世話をしたり柑橘類の葉に見つけた揚羽蝶の幼虫を育てたりしたのが懐かしい。絶滅を危惧されているゲンゴロウやタガメも健在だった。彼らの生涯はとても短いけれど環境や生存競争と戦いながらその日その日を健気に生きている。こんな小さな命をも神が創造し生かされているのだと思うと命の尊厳を深く深く思う。
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万歳をして黄落を浴びる子ら
万歳をして黄落を浴びる子ら みのる
いつごろからだったろうか、何となく大人の人付き合いが苦手だと感じるようになった。でも、幼い子供たちは大好き。声をかけるとすぐに反応してくれるしお喋りしていると心の中が浄化されていくようなそんな気持ちがする。そして何よりも子どもたちの好奇心や疑問は素敵なヒントを授けてくれる。
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