四時随順

エッセイブログ / やまだみのる

  • 最澄の一碑立ちたる雪間かな

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    最澄の一碑立ちたる雪間かな  みのる

    私達夫婦の仲人をしてくださった丹波在住の老夫妻が雪深い山裾の施設に入所されたと聞き、雪解けの春を待って家内と二人で訪ねました。

    ご主人は気骨のある人格者でしたが、既に認知の気配があり老いは人となりまでも変えてしまうのかと思うほどの変わりようでした。

    あれこれと繰言の聞き役を果たしたあと祈って辞しましたが心が曇りました。

    その帰路、マイカーの窓越しに鄙びた一末寺の門前に建つ「一隅を照らす」と太く彫られた碑を見つけたのです。

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  • 下萌に碑あり宮水発祥地

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    下萌に碑あり宮水発祥地 みのる

    兵庫県の西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷の5つの地域を総称して灘五郷と呼ばれている。

    西宮郷は西宮神社を南へと下ったあたりにあって、この地に清酒の白鹿ブランドを展開する辰馬本家酒造がある。

    みのるの勤務先の創設者であった小林一三翁と辰馬家とはご縁が深かった…と資料で知ったのでそのご縁を頼みにダメ元で西宮の辰馬本社を訪ねた。

    著名俳人を案内して寒造りの俳句を詠みたいのでぜひ工場見学をと嘆願したところ快く承知してもらえたのである。

    紫峡師ご夫妻や淡路島の大星たかしさんほかの重鎮を引率しての吟行に緊張したが、工場近くにある社員保養所を句会場にと提供いただき、帰りには全員に搾りたての酒粕を家苞にと手配してくださり、至れり尽せりのおもてなしに心あたたまる一日となった。

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  • 復活の摂理大地の草萌ゆる

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    復活の摂理大地の草萌ゆる  みのる

    草萌ゆる頃になると、焦土となった被災地の荒地に新しい生命を発見した時の湧き上がるような喜びを思い出します。

    震災の思い出を語るにあたっては、結社作家としての道を邁進していた私がなぜ挫折したのかということを告白しなければなりません。

    俳句の学びを初めて七年が過ぎたころのことです。紫峡先生から男性だけの吟行句会を発足せよとの指示が出ました。

    手元の資料を調べてみると平成二年二月に須磨離宮公園で第一回涼風句会が行われています。紫峡先生64歳、みのる47歳という頃のお話です。

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  • 門波蹴散らせていかなご船戻る

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    門波蹴散らせていかなご船戻る  みのる

    播磨灘のいかなご漁は春の風物詩とも言われ、毎年2月下旬から解禁となる。

    関西では、この時期になるとどの家庭でも旬のいかなごを炊いて、地方に住む家族や親しい友人たちにプレゼントする…という昔ながらの習慣がある。

    ところが昨今は不漁続きで驚くほどの高値がつくようになり、不本意ながら断念する家庭も増えているという。

    地球温暖化のせいなのかそれとも乱獲の影響なのかはわからないけれど、なんとかならないものかと気をもむ。

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  • 握手して以心伝心温かし

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    握手して以心伝心温かし  みのる

    昨日は、かねてから約束していた俳友と落ち合うために広島緑化植物園を訪ねました。快晴の紅葉日和に恵まれ見晴らしのよいレストハウスで珈琲を飲み、お菓子をつまみ、お昼にはおうどんを食べ、食後のデザートに熱々の焼芋を頬ばり(食べてばっかりや…)ながら、俳句談義に時の経つのも忘れました。

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