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エッセイブログ / やまだみのる

広げみる嵯峨野の絵図に時雨けり

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広げみる嵯峨野の絵図に時雨けり  みのる

京都には紅葉の名所が数多くあるが、私の一押しは嵯峨野の祇王寺だ。阪急電車の嵐山駅を降りて渡月橋を渡る。下を流れる桂川には冬鳥たちが遊び屋形船が往来している。

しばらく大通りを進み横道に入ると竹林の小径が続いてやがて野宮神社につく。ここは良縁、子宝の神様なのでいつも女子で賑わっている。野の宮を出て道しるべを辿りながら嵯峨野の小径を進むと常寂光寺、落柿舎、二尊院、とつづき、やがてお目当ての祇王寺が見えてくる。

どこの紅葉が一番きれいだ…とかいうことではなく、ただ無為に歩いているだけで癒される。嵯峨野にはそんな雰囲気があるので好きなのだ。道中には茶店もたくさんあって野点傘をたてた緋毛氈床几があるとちょっと一服してみたらし団子をいただく。

祇王寺は竹林と楓に囲まれたつつましやかな草庵で『平家物語』にも登場し平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王が清盛の心変わりにより都を追われるように去り母と妹とともに出家、入寺した悲恋の尼寺として知られている。

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